はじめに
新築住宅を建てる際、知らないと損する制度がたくさんあります。長期優良住宅、ZEH(ゼロエネルギーハウス)、住宅ローン減税、太陽光パネルの売電……。
我が家は「とれる補助金はとった方がいい」という基本姿勢で、セキスイハイムの営業さんと綿密に打ち合わせを重ねました。結果、いくつかの制度を活用できました。ただし、その過程では予想外の課題もありました。
実際に4年住んでわかった、制度活用のメリットと現実的な課題をお話しします。
長期優良住宅の認定:間取りを変更してでも取得したい
長期優良住宅とは
長期優良住宅は、国が定める基準を満たす住宅で、以下のメリットがあります。
- 住宅ローン減税の優遇(借入限度額が高い)
- 登録免許税の軽減
- 不動産取得税の軽減
- 固定資産税の軽減期間延長
- 地震保険料の割引
つまり、制度を活用すると、税金面で大きなメリットが得られるのです。
二世帯住宅での認定条件
ただし、我が家のような二世帯住宅では、認定条件が厳しくなります。営業さんから説明されたのは、こうです。
「二世帯住宅を長期優良住宅として認定してもらう場合、『完全分離型』ではなく『一部共有型』である必要があります。つまり、玄関は2つですが、内部はドア1枚開けたらすべてつながっている間取りにしないといけません。」
当初、我たちは「玄関3つ、完全に分離した間取り」を想定していました。親世代とのプライバシーを守るためです。しかし、長期優良住宅の認定を受けるために、間取りを「玄関2つ、内部はつながっている」という設計に変更しました。
制度活用の判断
ここが大事なポイントです。間取りを変更することで、プライバシーは若干低下します。でも、長期優良住宅による税制優遇のメリットが大きいと判断したのです。
結果として、この判断は正解でした。4年住んでみて、内部がつながっていることで「親世代の様子がわかる」「何か必要な時にすぐに対応できる」というメリットが、プライバシー低下の課題を上回っていると感じています。
ZEH(ゼロエネルギーハウス):ギリギリの条件だったからこそ気づいたメリット
当初の期待と現実
セキスイハイムとの打ち合わせで、最初から「ZEHがとれるならとりたい」と伝えていました。
ただし、営業さんからの説明は「取得できるかできないか、ギリギリのところです」というものでした。正直なところ、私はあまり期待していませんでした。
ZEH条件をクリアするための工夫
ところが、営業さんたちが工夫を重ねてくれました。
窓をトリプルガラスに変更する:当初の提案仕様から、さらに高性能な窓に変更。
一部の窓を小さくする:日射熱取得の調整のため、南面の窓の一部を小さく設計変更。
お風呂の蓋の取り付け:給湯エネルギーの削減のため、浴槽の蓋を取り付ける設計に。
これらの工事を加えることで、ZEH認定の条件をクリアすることができました。
衝撃的だったこと:セキスイハイムが費用負担してくれた
最も驚いたのは、ZEH認定を受けるための追加費用をセキスイハイムが負担してくれたことです。
窓のグレードアップ、窓のサイズ変更など、本来であれば追加費用が発生する工事です。なのに、セキスイハイムは「ZEH認定取得のための費用」として負担してくれたのです。
ここで思ったのは、「メーカー側もZEH認定住宅を建てることにメリットがあるのではないか」ということ。政府のZEH補助金制度やメーカーの評価制度など、メーカー側にもZEH認定住宅を増やすインセンティブがあるのだろうと推測します。
ZEH取得後の快適性
ZEHのために変更された窓(トリプルガラス)の効果は、4年住んでみてはっきりと実感しています。
結露が全くない。冬の朝、通常の家なら窓に結露がついているのが当たり前ですが、我が家はありません。
窓際の温度差がない。全館空調のおかげもありますが、窓のトリプルガラスのおかげで、窓際に立っても中央と温度差を感じません。
太陽光パネル:「載せられるだけ載せる」戦略
当初からの予定
太陽光パネルをつけることは、当初から決まっていました。「受け取れる費用を最大化」という姿勢で、載せられるだけ載せることにしました。
新商品への乗り換え
幸運なことに、契約のタイミングで新しい太陽光パネルが発売されました。営業さんからの提案は「発電効率が高い新商品に同額で乗り換えられます」というものでした。
同じ費用で、より効率的な太陽光パネルが設置できた。これは大きなメリットです。
蓄電池のセット
ZEH認定と太陽光パネルの組み合わせで、蓄電池をセットで設置してくれました。これにより、昼間の発電電力を蓄電し、夜間に使用することが可能になりました。
売電収入
余剰電力は電力会社に売電しています。売電単価は年々低下していますが、それでも「載せられるだけ載せた」ことで、一定の売電収入が得られています。
太陽光パネルについては、別記事で詳しく書きたいテーマなので、ここまでにしますが、「とれる制度はとる」という姿勢が実を結んだ例だと思っています。
住宅ローン減税:13年間の優遇
当初は10年の予定だった
制度改正前は、住宅ローン減税は「10年間」という制限がありました。
ただし、新築住宅(特に長期優良住宅)では、制度改正により13年間の減税が適用されることになりました。
我が家は、この制度改正のタイミングで建築契約したため、13年間の住宅ローン減税を受けられます。
正直なところ、制度の詳細については、営業さんや税理士さんに任せた部分が大きいのですが、「13年間になってよかった」というのが率直な感想です。
全館空調:制度活用と現実的な課題
ZEHとの相乗効果
全館空調を導入したのは、ZEH認定を目指すという戦略もあります。高い気密性・断熱性を活かして、全館空調で安定した室温を保つことで、エネルギー効率を最大化できるからです。
実際のところ、光熱費は常識の範囲内に収まっていると感じています。全館空調を24時間つけっぱなしにしていますが、家計を圧迫する水準ではありません。
吸排気口の位置:予想外の課題
ただし、全館空調には現実的な課題もあります。
我が家の全館空調は、1階の床面に吸排気口がある設計です。
これが、思った以上に生活に影響します。
ものの置き場所に気を遣う。吸排気口の周辺には、家具や荷物を置きにくい。吸排気を邪魔してしまう可能性があるからです。
ごみの吸い込み。床面の吸気口なので、ごみやほこりが入り込みやすい。定期的な掃除が必要です。
見栄えの問題。床面に大きな吸排気口があると、それなりに目立ちます。
当初は「全館空調のメリット」ばかり考えていましたが、実際に住んでみると「設計段階でもっと吸排気口の位置を工夫できたのではないか」と思うことがあります。
ただし、後から変更はできないので、今後セキスイハイムで全館空調を検討する方には、「吸排気口の位置をよく検討してから決めること」をお勧めします。
エアコン故障前提?
もう1つ、営業さんから言われたのが「いずれ全館空調の機械が壊れた時のために、エアコンの電源口を設置しておいた方がいい」というアドバイスです。
正直なところ、私は「壊れることを前提に設計するんですか」とがっかりしました。ただ、現実的には機械は必ず故障します。修理期間の間、エアコンで凌ぐことになるかもしれません。
メーカーの営業さんも、長期の実運用を見据えたアドバイスをしてくれているんだと、後になって理解しました。
「とれる補助金はとる」という姿勢の大切さ
4年住んでわかったことは、制度活用には手間がかかるが、やる価値があるということです。
長期優良住宅の認定のために間取りを変更したこと、ZEH認定を目指して窓を高性能化したこと、太陽光パネルを最大限に設置したこと——これらはすべて、建築段階での判断と工夫が必要でした。
営業さんたちに「とれる補助金はとりたい」と伝えることで、メーカー側も対応を考えてくれます。セキスイハイムがZEH費用を負担してくれたのも、「ZEH取得を目指す」という姿勢を伝えていたからでしょう。
ハウスメーカー選びと同じくらい、制度活用も重要な判断だと思います。
最後に
「受け取れる費用を最大化する」という言い方は、少し打算的に聞こえるかもしれません。ただ、現実には、知っている人と知らない人では、大きな差が出る制度がたくさんあります。
営業さんに「とれる補助金を全部とりたい」と伝えることは、決して失礼なことではありません。むしろ、メーカー側も喜んで対応してくれることが多いです。
セキスイハイムでの家づくりを検討されている方は、ぜひ営業さんに「制度活用について相談したい」と伝えてみてください。
※本記事は個人の実体験に基づいています。補助金制度は変更される可能性があります。最新情報は各自治体やメーカーにご確認ください。


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