ルポ『秀和幡ヶ谷レジデンス』を読んで──“渋谷の北朝鮮”と呼ばれたマンションの真実

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はじめに

マンション投資を検討する際、「管理組合の運営状況」は見逃されがちですが、資産価値や住み心地に大きな影響を与える要素です。今回は、実際に起きた“独裁理事会”をテーマにしたルポルタージュ本『ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス』(木下龍也著)を読んで、その実態と背景、そして今後への教訓をまとめました。


📖『ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス』とは?

  • 著者:木下龍也
  • 出版社:晶文社
  • 発売日:2024年
  • 内容:実際に秀和幡ヶ谷レジデンスで起きた理事会による“管理の私物化”や住民との対立、裁判闘争を当事者や関係者の証言を交えて描いたルポ。

この本は、不動産投資本というより、現代の集合住宅が抱える「共同体の歪み」を描いた社会派ノンフィクションとも言えます。

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📝本の要点と印象に残った点

  • 20年以上理事の交代がなかったという異常事態。
  • 管理組合による理不尽なルール制定(例:宅配業者の出入り制限、訪問者の宿泊禁止など)
  • 「防犯」と称した監視カメラの乱用(54台以上設置)
  • 裁判によって管理体制が覆された過程の詳細と、住民による「民主的管理」への挑戦。
  • 著者の距離感:煽るでもなく、擁護するでもなく、丁寧に当事者の声を拾っているのが印象的でした。

💡ネットで調べた情報と照らし合わせて

本書に加えてネット情報(週刊文春、FRIDAY、ダイヤモンド不動産研究所など)からも以下の事実が確認できます。

  • すでに裁判で旧理事会の職務停止が決定(東京地裁)
  • 総会によって新しい理事が選出され、正常化へ進んでいる
  • 物件の資産価値が回復傾向にあるとの報道も

🏘 投資家・購入検討者への教訓

  • 「立地」や「リノベーション」だけで判断してはいけない
     →管理組合がどう運営されているか、理事が交代しているか、総会の雰囲気などを確認すべし。
  • 総会議事録や管理規約、掲示板の雰囲気を見ることも重要
     →古くからの区分所有者が多い物件では、変化への抵抗も。
  • 「安くて掘り出し物」は、なぜ安いのかを掘り下げることが重要
     →見えない“住民トラブルリスク”が隠れている可能性。

🎯まとめ

『ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス』は、マンション投資家はもちろん、これから分譲マンションを購入しようという人にとっての**「必読書」**です。
不動産を「商品」ではなく「人間関係と制度の中で成り立つ社会」として捉える視点を与えてくれる良書でした。

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